ワインを色々と飲んでみる中で、「これだ!」と思える一本に出会えるかどうかは本当に大切なことだと思います。ワインを知りたい、勉強したいと思うにあたってはさまざまな品種のものを飲む機会が増えると思いますが、お気に入りの一本を見つけるとさらに楽しく、より深く楽しむことが出来るからです。
私のこれだ!と思える一本は赤ワインのおすすめにも記載しています「カサーレ・ヴェッキオ・ダブルッツォ」という銘柄です。これは安価ですし結構どこにでも売っているのですぐ手に入りますが、ある程度安価な、いわゆる「テーブルワイン」といわれるくらいの価格帯のワインを選ぶ基準としてこのカサーレ・ヴェッキオがずっと自分の玉座に鎮座している…というイメージです(笑)。
自分の中の基準のワインを持つことで、別のワインを飲んだときに「これはカサーレ・ヴェッキオに比べたら色が濃い」とか、「これはカサーレ・ヴェッキオに比べたら酸味が強い」など、基準のワインと比較してどのような感じになるのか、と自分の中で整理することが出来てとっても便利なんです。品種が違えば要素は全く変わってきますので、その際はあまりその基準はあてにならないのでは?と思うかもしれません。しかし、個人的には「自分がこれだ!」と思えるワインとくらべて美味しいかどうかと判断できるので、品種が違えど自分の判断基準として確固たる位置を持っておけるワインを自分の中にひとつは作っておくことをおすすめしたいです。
より深く…というのであれば、品種ごとに自分の基準になるワインを作っておくのがおすすめです。白のシャルドネならこれ、リースリングならこれ、ソーヴィニヨン・ブランならこれ…というように。赤であればカベルネ・ソーヴィニヨンならこれ、メルローならこれ、ピノ・ノワールならこれ…と。まあ、あまり細かくわけて基準を作っても、いざ飲んだときに混乱してしまっては元も子もないので、白ならこれ、赤ならこれ、くらいでもいいんじゃないかと思います。
なにより、「これだ!」と思えるワインを見つけたときは本当に心が満たされて満足感がとっても強くなるんです。「こんなに美味しいワインがあったんだ!」という発見とその時の感動というのはずっと残りますし宝物のようなものだと思います。そして、「こんなに美味しいワインがあるなら他のものも飲んでみたい」と思ってしまうんですよね…。